2024-09

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小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章14

これまでも夫婦仲がよいことは周りの誰もが認めるところだったが、月の宴での舞の対決が終わった後はそれまでにも増して実津瀬と芹の仲睦まじいさは目立った。それは実津瀬が舞の対決に勝利したのは芹の支えがあったからだと、改めて芹に感謝し、さらに愛情が...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章13

季節は夏から秋へと変わった。あの洪水の日からふた月が経とうとしていた。 洪水は束蕗原の風景を一変させてしまった。山崩れが起こり、作っていた稲や畑は水に覆われ、引いた後には大量の土、砂、石が残された。村人の家、そして命を奪った。しかし、住人た...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章12

意識は戻ったものの、蓮にとってあの一夜の経験は壮絶なものだったようで、隣で寝起きしている礼は、夜中に蓮がうなされている声に飛び起きた。 近づいて、そっと額に手を置くと熱く、たくさんの汗をかいている。 庇の間には侍女の曜が寝ていて、すぐに礼の...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章11

誰かが私の手を取ってくれた? 寒くて手足の感覚ないから、よくわからない。 蓮……って呼んでくれている? 私を知っている人かしら……。 ……諦めるな。……諦めるなよ、蓮……。 ……はい……諦めない……諦めないわ…… 蓮は誰かに体を受け止められ...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章10

「見たところ、顔や手、足に擦り傷……そして、足に打ち身……。流れてくる樹の枝などが当たったのだろうね……」 去はそっと蓮の体を触って言った。「それにこんなにも体が冷たいですよ」 曜は蓮の手や足をさすった。 それは去もわかっていて、しばらくし...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章9

「蓮!れーん!」 伊緒理は腹の底から力いっぱい声を出して蓮を呼んだ。「れーん!返事をしておくれ!」 声を出した後は、耳を澄ました。自分の声を聞いた蓮が応えてくれる、という希望を持って。 未刻(午後二時)を回った頃だった。 長年傍で怪我人の治...
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