2024-10

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小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章18

「蓮さん!」 朝餉を食べた後、侍女の曜に付き添われて蓮は薬草園に行って手入れをしていたら、同じように手入れの仕事をしに来ていた井が声を掛けてきた。「……井さん!」 井は蓮の前に来て手を取った。「お仕事をしておられるのですね!」 それまで井と...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章17

もう、水の中に落ちる前と変わらない生活ができているのに、母である礼は今も心配して、蓮が目の前の食事に手をつけないでいると、手づから匙で粥をすくって蓮に食べさせようとする。「お母さま、私は自分で食べられます」「だって、椀を持たないから食欲がな...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章16

ピーっという音がした。 人は鳥の鳴き声と思うかもしれが、露には区別できた。 男が来たのだ。 露は妻戸を静かに開けて顔を出した。侍女たちが寝る建物の前に並ぶ大きな杉並木の一番遠くの樹の陰から男が顔を覗かせた。 夕方のあたりが暗くなり始めた頃だ...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章15

翌日、実津瀬は夜明けと共に邸を出て宮廷に向かった。 四日間溜まった自分の仕事を片付けようと意気込み、机について精を出していると、あとから出仕してきた同僚から、大変だったねと声を掛けられた。 実津瀬が休暇を取る理由を父の実言は自分の代わりに水...
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