2022-05

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小説 あなた

New Romantics 第一部あなた 第三章11

「えー!実津瀬!どういう風の吹き回しだ?」  塾の帰り、鷹野は実津瀬の言葉に驚きの声を上げた。  「笛を吹きに行きたくなってね」  実津瀬が明日の踏集いに一人で行くと言い、その理由を訊ねた答えが先ほどの笛が吹きたいだった。それは嘘だと、鷹野...
小説 あなた

New Romantics 第一部あなた 第三章10

その翌日、景之亮が実言邸にやってきた。景之亮が来たことは侍女たちを通じてすぐに蓮に伝わっているが、景之亮は例によってこの邸の主人である実言に挨拶をしてから蓮の部屋に来るため、すぐに会えるわけではない。  昨日、景之亮様は王宮と宴会の場である...
小説 あなた

New Romantics 第一部あなた 第三章9

王子たちが目の前を通り過ぎて行って、頭を上げかけた時に隣の藍が肘で蓮を小突いた。何事かと思って藍を見ると、藍は王族が歩いて行った向こうを見ている。蓮もゆっくりと藍の視線の先を見ると、王族がそれぞれ輿に乗るのを待って見守っている景之亮の姿があ...
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New Romantics 第一部あなた 第三章8

佐々良の宮は多くの人が出入りして、宴の準備が着々と進んでいた。  蓮と藍は宮の庭に作られた宴の舞台の周りに張られた幕を持ち上げて覗き見た。 「まあ、立派な机!机の上の敷物もとても美しい模様!」  二人は感嘆の声を上げた。 「お料理もきっと豪...
小説 あなた

New Romantics 第一部あなた 第三章7

「蓮!」  庭で呼ばれた蓮は首だけ庭に向けて返事をした。 「待って!もう少し待って!」  やっと決めた帯を手早く結ぶ。同じ部屋にいた榧と珊は簀子縁まで出て、蓮の名を呼ぶ本家の娘、藍と付き添いの従者を迎えた。  都の西にある庭園での宴会の手伝...
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