小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章8 今日の典薬寮の出仕に蓮は鋳流巳を連れて行った。 典薬寮に出仕し始めて、今日で五回目である。 最初は父の実言が、二回目、三回目は兄の実津瀬が付き添ってくれたが、四回目以降は従者、侍女だけの付き添いになった。四回目は鋳流巳と曜とで、今日の五回目... 2024.12.29 小説 STAY(STAY DOLD)
小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章7 先ほどまで目の前にいた男たちの会話を思い返すと、反吐が出そうだった。 気の知れた仲だと言いたいのか、にこにこと笑い合ったり、かしこまって頭を下げたり、そんなことはやめろよと言い合ったり。 そんなことは自分には何も関係ない。 ただ舞えと言われ... 2024.12.22 小説 STAY(STAY DOLD)
小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章6 蓮と伊緒理と別れた実津瀬は、中務省の建物へと入って、棚から書類を持って来て昨日の続きの仕事を始めたが、それも、早々に切り上げて、同僚に挨拶をすると中務省を後にし、向かったのは雅楽寮の稽古場だった。 梅から桃へ、花の季節は移り変わっていても、... 2024.12.15 小説 STAY(STAY DOLD)
小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章5 「蓮様、お待ちください」 後ろで曜が言った。蓮ははっとして振り返った。「すみません。人が多くて……歩くのも遅くて」 曜が小走りに走って来た。「いいのよ。私が早く歩いていたみたい」「いいえ。私がいけないのです」「ゆっくり行きましょう。……曜は... 2024.12.08 小説 STAY(STAY DOLD)
小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章4 五日が経つのを蓮は指折り数えて過ごした。 しかし、その間をただだらだらと過ごしていたわけではなくて、朝起きると薬草園の手入れに行き、昼間は邸の隣にある診療所の手伝いに行くか部屋で写本をした。また、典薬寮に出仕するのに、母の礼と自分に何ができ... 2024.12.01 小説 STAY(STAY DOLD)