2025-11

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小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第九章3

蓮は少しでも早く後ろにいる景之亮から離れるために、当てもなくただただ歩いた。なんとなくの方角に歩いていると、見覚えのある庭に出てきた。橘の木が植えてあるので間違えようがなく、ここまでくれば、帰り道もわかる。 早く戻らなくては鋳流巳が心配して...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第九章2

そこには大きな影が手招きしている姿があった。 その影の元まで行くには天井から吹き出している炎の下を通り抜けなければならなかった。蓮の隣に立つ二人は抱き合って、顔を引きつらせている。その顔を見ている蓮も内心は恐怖を感じている。 その躊躇の心が...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第九章1

蓮は消火隊の後ろについて走った。 怪我をしている人がいたら助けなくては! この緊急事態で自分ができることはそれだ、と今の蓮はその気持ちだけで動いていた。そこに、火に近づくことの危険や恐怖といったことはすっぽりと抜け落ちている。 内膳司は王宮...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第八章24

蓮が師走に入って初めて典薬寮に出仕する日。 その日は前日と比べ、とても寒かった。急に冷え込んで、おの冬一番の冷え込みになった。 そのような日、五条岩城家は朝から騒々しかった。 箱入り娘の榧が泊まりで外出するので、車や付き人が朝から準備で忙し...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第八章23

秋は深まり山々が赤く染まり始めた頃、都の空は重く厚い雲が覆っているような重苦しさがあった。 それは大王の体がもう起き上がれないほど弱ってしまって、その命の火が細く小さくなって、いつ消えるのかを皇太后と大后は息を呑んで見守っていると言うような...
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