小説 STAY(STAY DOLD)

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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章3

夕暮れ時、男たちが川の淵に篝火を置いて、川に入って水浴びをする。着ているものを全部脱ぎ捨てて、汗を洗い流すのだった。 「あれ、まだ男の人の声がする」  井が言った。 「今日も暑くて、たくさん汗をかいたわ。水の中に入るのは気持ちいいでしょうね...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章2

束蕗原の晩夏。  都も暑かったが、ここ束蕗原も暑い。  都では小さな子たちと水遊びをして涼を取っていたが、ここではいち見習いの身分だから涼を取る暇はない。同じように暑さで弱る植物の世話をし、薬草を作り、怪我人や病人の世話をする。汗が滴り落ち...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章1

蓮は同僚の井と夕餉を食べ終えて、食堂の扉の前まで行った。 「雨はどうなったでしょうか?」  後ろを歩く井が言った。 「夕立ね。とてもひどい雨だった」  蓮が答えて、扉を押した。  夕方、急に空が真っ暗になり、雨雲が束蕗原を覆った。そして、ぽ...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第五章15

「さすがは、岩城一族でいらっしゃる。多様な才能をお持ちだ。臣下の中でも舞楽、管弦が好きな者は多くいますが、あのような舞を舞う者がどれだけいるかといったら、それは、皆無。印象深い舞でした」  身なりを整えて宴会の席に着いた実津瀬に、隣に座って...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第五章14

ぽんっと、右肩に手を置かれて朱鷺世は顔を上げた。  そこには雅楽寮の長官である麻奈見が立っていた。 「よかったよ」  麻奈見はそう言ったが、朱鷺世は顔を両ひざの上に載せた腕に額を押し付けて下を向いた。 「着替えよう。夏といっても、体が冷える...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第五章13

大王が手を叩くのをやめると、その動きを見て左右の観覧の間の近いところから拍手は止んでいく。そこで、桂が立ちあがった。 「大王、いかがだったでしょうか」 「面白かった!よいものを見せてもらった」 「ありがたいお言葉。私も、二人の舞に感動しまし...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第五章12

朱鷺世は観覧の間のざわつきが止まないな、と舞台の立ち位置に移動しながら思った。  朱鷺世が舞台に進み出たところから、朱鷺世の舞は始まっている。  皆がまだ朱鷺世に注目できていないが、朱鷺世は気にしないようにと自分の気持ちに言い聞かせた。  ...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第五章11

桂は椅子から立ち上がると、左隣りにいらっしゃる大王に向かって話し始めた。 「大王、今宵、月の宴が開催できますこと、誠に喜ばしく、お祝い申し上げます。そして、宴の舞について、私のわがままをきいていただき、ありがとうございます。舞台に上がる舞手...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第五章10

耳元で人の足音がして、朱鷺世は目を覚ました。  舞う直前まで寝転がっていられるほど、図太い心の持ち主ではない。まして、周りがこんなに騒がしいのに、寝たふりもできない。  朱鷺世は上体を起こした。  自分の周りに置いてあった楽器の移動が始まっ...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第五章9

「兄様!」  一族はまだ翔丘殿には来ていないかな、と思いながらも観覧の間に向かった実津瀬の前に弟の宗清が現れて、元気に声を掛けて来た。 「宗清、みんなは?」 「もう、着いています」  宗清が廊下から部屋の中に入ると、子守の苗の膝に座っていた...
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