小説 STAY(STAY DOLD)

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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章10

ここは何という邸だろうか……。 蓮がそんなことを考えていると、外で人の話し声がする。話している言葉は先ほどと同じ聞いたことのない言葉だった。あの人たちは異国の……人たちではないかしら……。蓮はそんなことを思いながら、来るであろう伊緒理をじっ...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章9

典薬寮の玄関を上がる時に賀田彦は跪いて、蓮に肩に掴まるように言った。 蓮は素直に賀田彦の肩に手を置いて、靴を脱ごうとしたら、賀田彦は蓮の足に手を伸ばして沓を脱がせてくれた。蓮は驚いて言った。「賀田彦殿、世話をかけて申し訳ありません」「いいえ...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章8

今日の典薬寮の出仕に蓮は鋳流巳を連れて行った。 典薬寮に出仕し始めて、今日で五回目である。 最初は父の実言が、二回目、三回目は兄の実津瀬が付き添ってくれたが、四回目以降は従者、侍女だけの付き添いになった。四回目は鋳流巳と曜とで、今日の五回目...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章7

先ほどまで目の前にいた男たちの会話を思い返すと、反吐が出そうだった。 気の知れた仲だと言いたいのか、にこにこと笑い合ったり、かしこまって頭を下げたり、そんなことはやめろよと言い合ったり。 そんなことは自分には何も関係ない。 ただ舞えと言われ...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章6

蓮と伊緒理と別れた実津瀬は、中務省の建物へと入って、棚から書類を持って来て昨日の続きの仕事を始めたが、それも、早々に切り上げて、同僚に挨拶をすると中務省を後にし、向かったのは雅楽寮の稽古場だった。 梅から桃へ、花の季節は移り変わっていても、...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章5

「蓮様、お待ちください」 後ろで曜が言った。蓮ははっとして振り返った。「すみません。人が多くて……歩くのも遅くて」 曜が小走りに走って来た。「いいのよ。私が早く歩いていたみたい」「いいえ。私がいけないのです」「ゆっくり行きましょう。……曜は...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章4

五日が経つのを蓮は指折り数えて過ごした。 しかし、その間をただだらだらと過ごしていたわけではなくて、朝起きると薬草園の手入れに行き、昼間は邸の隣にある診療所の手伝いに行くか部屋で写本をした。また、典薬寮に出仕するのに、母の礼と自分に何ができ...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章3

梅の盛りが少し過ぎた頃、蓮は父の後ろについて美福門から王宮へと入った。 父の実言の顔はどの門から入っても、門を守る衛兵は知っているようで、皆深々と頭を下げている。「ここは宗清が勤めている左衛門府が守る門だ。もしかしたら宗清に会えるかもしれな...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章2

「あら、蓮も一緒だったの?」 離れの実津瀬の部屋に入っていくと、淳奈の肌着を縫っていた芹が顔を上げた。手を止めて立ち上がると人数分の円座を出した。「どうしたのですか?二人とも難しい顔をして。そんなに難題を与えられたの」 円座に座った二人に芹...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章1

新年を迎える前に蓮と母の礼が束蕗原から五条岩城邸に帰って来た。 戻る前日に実津瀬が束蕗原に迎えに行くために都を発った。一泊して、翌日母と蓮を連れて都に戻って来た。 約一年振りに会う姉に妹弟たちは門の前に出ては、まだかまだかと待っていた。 実...
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