物語あれこれ 「Infinity」の最後に

物語あれこれ
「Infinity」の物語あれこれはこれで最後になります。

最後に書き記すことではないかもしれませんが、私にとっては印象的な話です。
このようにホームページを開設していますので、やはり書いておきたいと思いました。

私は大学は文系の学部に行き、1年生の時「万葉集」の授業を取りました。
その授業にはスポーツで入学している学生が、興味もないけど単位のために出席していて、3人くらい並んで寝ている光景があり、受講している人数は少なかったです。
先生も講義をしながら、身の入らない学生たちの姿に失望しているかなぁと思いながら、きいていました。
私も良い学生とは言えなかったかもしれないですが、講義は聞いていました。
私にとっては楽しい授業でした。

そこで本題である、印象的な話ですが、万葉の時代にとっての「袖」についてです。
恋愛の気持ちを表すのに当時の人々は袖で表現していたのだと、熱弁をふるってくださる。

その当時の人はね、「セックスしたい」なんて言わないんだよ、「袖を交わす」と
表現するんだよ!と御年、70歳くらいの先生がおっしゃられました。
会いたい気持ちや惜別の気持ちを表すのに「袖を振る」などの表現があると。
それがとても印象に残っているのです。

袖で表現される感情の世界とはどんなものだろう、とその時思ったのでした。

この「Infinity」の物語は万葉の時代を念頭に書いています。
大学生の時のこの授業で感じた感情をいくばくか表現できていたらいいな。
何年も記憶の中に眠る出来事を世に出すという楽しさです。

 

あの時の感動がこの物語を書かせる原動力の一つになっていたかなとと思います。
講義してくださった先生、ありがとうございました。

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