小説 STAY(STAY DOLD)

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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第八章11

大王から舞の対決を月の宴よりも早めてほしいとの言葉に桂は考えを巡らせた。 大王の健康問題を表に出さずに、早めるにはどうしたらいいか。 すでに月の宴で三度目の対決をすることは決めている。雅楽寮の長官、麻奈見はどのような舞をするか考えているはず...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第八章10

陽も翳って、あたりは暗くなり老爺が火を持って灯をつけてまわっていたところについでとばかりに朱鷺世が待機している部屋に入ってきた。「お待たせしております。そろそろお呼びがかかると思います」 と言って部屋を出て行った。 程なくして、風呂に案内し...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第八章9

新年を迎えた。 宮廷の年賀の行事はつつがなく終わった。 しかし、表に出てはいないが、その内では大王の健康問題で一波乱、二波乱あった。 新年の神への祈りの儀式では、当日、大王の体調が思わしくなくご自身でできるか、という問題が起こった。一握りの...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第八章8

桂は時より足がもつれそうになって、その度に朱鷺世は桂の体を抱き抱える腕に力を込めて支えた。「ふう。飲み過ぎたようだ。すまないな、朱鷺世」 朱鷺世は貴人の匂いを嗅げるほど近づいたのは初めてのことで、内心は震える思いだった。しかし、ここで粗相が...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第八章7

「実由羅は年が明けてもしばらく都にいるのだろう?」 桂が尋ねた。「いいえ、桂様。新年の行事が終われば、我が領地の左目浜に行く予定です」「すぐに。もっとゆっくりすればいいのに」「ええ。しかし、新嘗祭からずっと都にいますので領地の様子が気になる...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第八章6

新嘗祭とその翌日の宴が終わり、宮廷は一息ついたように静かだった。 雅楽寮の面々も宴が終わってくつろいだ雰囲気であるが、年が明ければ新年の行事と祝いの宴がいくつか催されるので、その準備に取り掛かっている者もいた。朱鷺世は新嘗祭の宴での舞が終わ...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第八章5

芹と一緒に朝餉を食べた実津瀬は母屋に向かった。ちょうど両親と妹弟の蓮、宗清が朝餉を食べ終えるところだった。綺麗に服を着付けている蓮を見て実津瀬は言った。「蓮!今日は出仕の日かい?」「ええ、そうよ」 蓮は椀に水を入れてゆっくりと飲み込んで答え...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第八章4

東の空が白くなり夜が明ける。 芹はいつものように目が覚めた。 胸の上に手をやってその上にあるものをそっとゆっくりと大切に抱きしめた。「う……ん」「……あなた……」「うん……朝か」 実津瀬は芹の胸の上で呟いた。「ええ、夜が明けるわ」「まだ寝て...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第八章3

「あ……ん……」 抑えても細く開けた露の唇の間から声が漏れた。 朱鷺世に組み敷かれて、朱鷺世の性欲を受け入れていた。 別にこれが嫌ではない。抱くためだけに朱鷺世が自分に会いに来ているのではない、とわかっているから。 朱鷺世とまぐあうことは、...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第八章2

蓮が体を起こすと、すぐに伊緒理の手が伸びて、腕を引っ張った。 倒れる蓮の体を胸で支えて、耳元で囁いた。「もう少しだけ」 伊緒理は言って、蓮の体を引き戻し自分の腕の中に入れた。 久しぶりに蓮は七条にある伊緒理の邸を訪ねた。 夏の初めから、伊緒...
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