小説 STAY(STAY DOLD)

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小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第三章1

「淳奈、いらっしゃい」 五条岩城実言邸の離れの庭の前にある階の前で芹が淳奈に手招きした。 淳奈は弾けんばかりの笑顔で母の元に走って来た。芹はしゃがんで両手を広げ、淳奈を受け止めた。 池に投げられるという事件は、幸いにも幼い淳奈の記憶に残るこ...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章20

がらんとした部屋の真ん中に景之亮は座っていた。 蓮は女人にしては、物が少ない。丸や他の使用人の女人たちの部屋はいろんなものが溢れかえっていたが、蓮はそんなことはなかった。 しかし、それでも、蓮の物が無くなった部屋は殺風景だ。これが三年前の自...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章19

翌日からさらに蓮は部屋に籠って、自分から人に会おうとはしなかったが、実津瀬、榧、宗清に珊が代わる代わる顔を見せに来る。 私のことを気にかけてくれているのね、とありがたく思った。 兄妹たちとたわいもない話をしていると気が紛れるが、ふっとしたと...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章18

蓮から手を放した実言は几帳の裏に回って、景之亮の前に膝をついた。 景之亮が実言の顔を正視する。「景之亮……行こう」「実言様、私は……」「お前もわかっているだろう。……お前の妻は良くも悪くもこうと決めたらそれを貫く。先ほど聞いた通りだよ。お前...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章17

翌日の蓮は食欲がないと言って、曜に朝餉を持って来させなかったが、遅く起きた宗清と珊が部屋に来て、一緒に食事をしようというので食べることにした。 以前は蓮が手伝って食事をしていた珊だが、今は十歳になって、自分のことは自分でできるようになった。...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章16

その翌日、蓮は起き上がると、朝餉を見ただけで、口には入れなかった。 立ち上がると曜に向かって写本をするから机と書くものを用意してほしいと頼んだ。蓮が愛用していた机は鷹取の邸に持って行ったので、どこかからほこりをかぶった小さな机が持って来られ...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章15

翌日、景之亮が五条の邸に来る前に、丸が岩城家から蓮と一緒に鷹取邸に行った鋳流巳に付き添われてやって来た。 昨日、景之亮が帰った後に、母の礼が部屋に入り蓮の傍に座った。榧も突如姉と景之亮の激しいやり取りが始まってどこかに行く間もなく、そのまま...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章14

五条の邸に来た蓮が、一泊した後も一向に鷹取の邸に帰らない。迎えが来るでもなく、夕方になる。夫である景之亮が宿直で邸を空ける時、泊まることはあるから不思議なことはないが、景之亮の傍が自分の居場所と、一晩泊まればすぐに帰って行くのが常なのに。 ...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章13

蓮は薄目を開けた。 自分がどんな状態にあるのか、すぐにはわからなかった。 帰ってくると聞いて机の前に座って景之亮の帰りを待っていたのだ。会えることが嬉しくて、昨日から眠れずにいたのだ。夕暮れ間近の空を眺めて、景之亮の帰りはまだだろうか、遅い...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章12

結婚して三月しか経っていないのに、景之亮が反乱を鎮めるために尾張の国に行ってしまった時、蓮は愛にはこのような試練があるものだと挑む気持ちだった。しかし、時間が経つとそのような勇ましい気持ちはしぼんで、ただただ景之亮が無事に帰ってくるのを祈る...
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