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小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章15

実津瀬と稲生は本家の従者を一人連れて、徒歩で佐保藁の宮へ向かった。 門の前には番人が立っていて、松明の用意をしているところだった。実津瀬たちが名乗るとすぐに中に通された。 玄関前まで来ると佐保藁の宮の従者が出てきた。そこで、本家から付き添っ...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章14

季節は進み梅雨の時期。 連日雨が降り、たまに出る陽がありがたい。 今日は前日まで降り続いていた雨が上がって久しぶりの陽が差している。岩城五条の邸は御簾をあげて湿った部屋に陽を取り入れようしていていた。 離れの夫婦の部屋も御簾を上げて、庇の間...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章13

蓮と伊緒理の逢引きはひっそりと行われた。 ほぼ五日ごとに典薬寮に出仕している蓮に、鋳流巳と曜が交代で付き添いをした。そして、曜が付き添う日は、異国の人々が滞在する邸、江盧館(こうろかん)の部屋で伊緒理と会った。 出仕する日はどの日も、江盧館...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章12

「どうしたんだ?」いつものように朱鷺世が宮廷で働く女官たちの住居を訪れて、出てきた露と一緒に歩いて広大な庭の奥に向かう途中だった。「どうしたって?怪我をしちゃったの」 普段、感情を表に出さない朱鷺世が左手に白布を巻いた露を見て、大きな声を出...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章11

今日も淳奈は舞をすると言って、母の手を取って一緒に階を降りて、庭で父に教えてもらった簡単な型を何度も何度も舞った。「お水を飲みなさい。喉が乾いたでしょう」 芹は侍女の編から水筒を受け取って、淳奈の前に跪き水を飲ませた。「お父さまが帰ってきた...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章10

ここは何という邸だろうか……。 蓮がそんなことを考えていると、外で人の話し声がする。話している言葉は先ほどと同じ聞いたことのない言葉だった。あの人たちは異国の……人たちではないかしら……。蓮はそんなことを思いながら、来るであろう伊緒理をじっ...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章9

典薬寮の玄関を上がる時に賀田彦は跪いて、蓮に肩に掴まるように言った。 蓮は素直に賀田彦の肩に手を置いて、靴を脱ごうとしたら、賀田彦は蓮の足に手を伸ばして沓を脱がせてくれた。蓮は驚いて言った。「賀田彦殿、世話をかけて申し訳ありません」「いいえ...
物語あれこれ

【物語あれこれ】2025年もよろしくお願いします

明けましておめでとうございます。昨年は、このホームページに訪れていただきありがとうございます。週に1回の更新ではありますが、必ず訪れて読んでいただき、嬉しいです。今年も物語を書き進めていきます。実津瀬と蓮実津瀬と芹と桂    蓮と伊緒理実津...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章8

今日の典薬寮の出仕に蓮は鋳流巳を連れて行った。 典薬寮に出仕し始めて、今日で五回目である。 最初は父の実言が、二回目、三回目は兄の実津瀬が付き添ってくれたが、四回目以降は従者、侍女だけの付き添いになった。四回目は鋳流巳と曜とで、今日の五回目...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第七章7

先ほどまで目の前にいた男たちの会話を思い返すと、反吐が出そうだった。 気の知れた仲だと言いたいのか、にこにこと笑い合ったり、かしこまって頭を下げたり、そんなことはやめろよと言い合ったり。 そんなことは自分には何も関係ない。 ただ舞えと言われ...
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