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小説 STAY(STAY DOLD)

【小話】景之亮の結婚 6

三日目の朝、景之亮は帰ることなく、蜜と一緒に朝を迎えた。  そのまま、蜜の父親と対面して挨拶をした。蜜の父親は、泣き出さんばかりに感激した顔で、景之亮を婿に迎えられる喜びを話した。これで、蜜の家族にも景之亮と蜜の結婚を公にした形になった。 ...
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【小話】景之亮の結婚 5

景之亮は蜜の元から邸に戻ってすぐに横になり、短い時間ではあるが眠って、いつも通りの時刻に目を覚ました。今日は、遅めの出勤のため、褥の上でしばらく考え事をした。  朝餉の準備ができた丸が簀子縁をばたばたと歩く音が聞こえて、景之亮は体を起こした...
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【小話】景之亮の結婚 4

景之亮は部屋で腕を組み、考え込んでいる。  侍女の丸が入って来て、声を掛けた。 「ご主人様……ご夕食は要りませんよね?」  その言葉から、景之亮の今夜の行動を予想していると分かった。 「ああ……いらない……」 「そうですね。承知しました」 ...
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【小話】景之亮の結婚 3

翌日、景之亮は夜明けとともに起き、宮廷に上がった。いつも通りに仕事をしたが、仕事が終わっても仕事場に居座っていた。 「鷹取殿、何か?」  手に持った巻物をただただ見つめている景之亮に同僚は不思議に思って声を掛けた。 「いや!これを納めて帰る...
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【小話】景之亮の結婚 2

木の枝から葉が離れて落ちる。足元に落ちた葉が重なり合って溜まっている。  落ち葉を踏むとサッサッと音がする。  叔父にしては無言が続くため、その音がよく聞こえた。  景之亮は仕事を終えて宮廷から下がったところだ。いつもと違うのは叔父と共に歩...
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【小話】景之亮の結婚 1

「いつまで部屋に閉じこもっているつもりだ」  部屋の中でぼんやりとして寝転んでいると、叔父の宇筑が庭に回って来て外から声を掛けた。  面倒な人ではあるが父の亡き後、自分を支えてくれた叔父である。景之亮は大きな体を起こして、簀子縁まで出て行っ...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第四章15

前にも一度見かけたその男の人は、もしかしたら……と思っている人ではないか。  以前見かけた時は、途中で蓮が邸の中に入ってしまったため、間近ですれ違うことはなかった。しかし、今、蓮たちは食堂に向かって歩いていて、食堂の扉に着く前に去たち一行と...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第四章14

冬の終わり、人によっては春の始まりの時期。朝夕は気温が下がってまだ肌寒いが、日中は暖かくなった。  蓮は、着込んでいた上着を朝餉を食べ終わった後に脱いで、今日の仕事である薬草の整理をしに倉へと向かった。  今日は井と同じ組になって、一緒に倉...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第四章13

「桂様、ようこそ」  淡路が頭を垂れて挨拶をした。  それを合図に稽古場にいた二十名ほどの楽団員が一斉に頭を垂れた。  実津瀬も一番端に並んで同じようにした。  淡路を先頭に、扉の前に三重に重なって立った楽団員たちが体を折った姿に桂は目を瞠...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第四章12

朱鷺世は搗き米を前ほど欲しがりはしなくなった。これまで露の握り拳ほどの搗き米の塊が一つでは足りないと言うので、二つ用意していたのに、今は一つで十分だというし、腹は空いていないと言う時もある。その時は二人で搗き米を一口ずつ交互に食べた。  腹...
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